ラット桧果体におけるダリア性支持細胞の電顕的研究 : 頭蓋内手術の影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
神経組織に由来する松果体において、ダリア性支持細胞に松果体除去頭蓋内対照手術(SPX)の影響が見られるか否かを電顕的に検索・比較した。24時間明暗周期、22±2℃の恒温環境で飼育し、5週齢でSPXを行い、術後2週間の暗期開始後4時間で屠殺した正常(NO)群、SPX群の雄性ラット各3匹を用いた。2.5%GAと1%OsO4で固定した後、通常の方法で松果体電顕モンタージュ写真(倍率7,800倍)を作製、血管周囲腔を被覆するダリア性細胞と松果体細胞それぞれの膜の長さと細胞断面数を計測した。血管周囲腔を被覆するダリア性細胞の周長に対する比率は、SPX群(N、X±SE : 33、43.6±3.0%)でNO群(38、58.5士3.1%)よりも有意の低値を示した(t検定:P<0.001)。ダリア性細胞と松果体細胞断面の数的比率には、NO群(47.1±1.9%、52.9±1.9%)で差異は見られなかったが、SPX群(39.5±2.0%、60.5±2.0%)で有意差が見られ(P<0.001)、面細胞の実験群間差も有意であった(P<0.01)。実験成績より、SPXは血管周囲腔を被覆するダリア性細胞の形状や配置に影響し、松果体細胞からの分泌物の血管周囲腔への放出を容易にする可能性が示唆されたが、今後更に微細構造も含めて検討する必要があると考えられた。
- 青森県立保健大学の論文
著者
-
鈴木 孝夫
Department Of Physical Therapy Faculty Of Health Sciences Aomori University Of Health And Welfare
-
高橋 元
Department Of Anatomy Hirosaki University School Of Medicine
-
加地 隆
Department of Anatomy, Hirosaki University School of Medicine
-
加地 隆
Department Of Anatomy Hirosaki University School Of Medicine
関連論文
- ゴールデンハムスター副腎髄質のメチオニン-エンケファリン様免疫反応性に及ぼす日内時間,頭蓋内手術,松果体ホルモンの影響
- Pineal-Digestive Organ Relations : Physiological and Pathophysiological Significance of Melatonin in the Digestive System (松果体と消化器との関連 : 消化器系におけるメラトニンの生理学的・病態生理学的意義)
- ラット桧果体におけるダリア性支持細胞の電顕的研究 : 頭蓋内手術の影響
- Pineal-Gut Relations (松果体と腸との関連)
- 成熟ラット副腎髄質と松果体における支持細胞の免疫組織化学的研究-特にS-100蛋白,GFAP,ビメンチンについて-
- 副腎髄質アドレナリン細胞のゴルジ装置に及ぼす松果体除去・対照手術の影響 :計量的電子顕微鏡的研究
- 腰椎椎間孔外側部における第5腰神経根障害の解剖学的検討
- ラット胸髄側角および前角における神経細胞核の計量組織学的研究 : 頭蓋内手術, 松果体除去および連続照明の影響
- 鶏胚動脈管の微細構造 第一報 動脈管の組織発生