韓国高麗時代の詩における「菊」の様相 : 比較文学の観点から
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概要
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韓国に「菊」がいつ入ったのかは明らかではないが、新羅時代の崔致遠(七五八~?)は屈原の「離騒」に登場する「菊」を典故に用いており、また「野菊」をも歌っている。しかし、本格的に「菊」がうたわれるようになるのは高麗時代になってからである。「菊」は少なくとも高麗時代には、詩文の題材としてすっかり定着している。しかし、武臣が支配した時期(一一七〇~一二七〇)においては文人が残している詩文は少ない。そのために研究の対象とするのはきわめて難しいが、唯一李奎報の詩文には多く残っている。そこで、本稿では武臣政権以後の時期(一二七一~一三九二)では、「菊」の詩文を多く残している李穡を中心として見ることにする。
- 熊本大学の論文
- 2001-02-20