<原著>中間透光体の混濁が視野測定に与える影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
視野測定において,角膜混濁や白内障などによる中間透光体の混濁が存在すると,びまん性に視感度が低下し測定結果に影響を与えることが知られている.そこで,中間透光体の混濁が視野測定に与える影響について,臨床的に用いられている種々の視野計を用いて検討を行った.視野測定には,明度識別視野, blue on yellow perimetry (B/Y perimetry), high-pass resolution perimetry(HRP), frequency doubling technology (FDT),0ctopus 1-2-3 を用いたflicker perimetry およびコンピュータ・ディスプレイを用い独自に作成した時間変調感度視野計temporal modulation perimetry (TMP)を使用した.TMPでは, critical fusion frequency (CFF)を測定する方法と時間変調感度を測定する方法の両者を比較した.正常者を対象に中間透光体の混濁のシミュレーションとして遮蔽膜をレンズに貼付し測定した.TMPでは,白内障のシミュレーションとしてさらにgabor視標を作成し測定した.次に,実際に白内障を有した症例で同様の視野測定を行いその影響を検討した.明度識別視野,B/Y perimetry, HRP,FDTおよびTMPによる時間変調感度測定では,すべて中間道先棒の混濁の影響を受け視感度が低下した.しかし. CFF値を測定するflicker perimetry は中間透光体の混濁の影響をほとんど受けなかった.以上のことから,コントラストを変化させて闇値を測定するすべての視野測定法は中間透光体の混濁の影響を受けるが,視標が認知できる一定の高いコントラストの条件下でCFF値を測定するflicker perimetry は,最も中間透光体の混濁の影響を受けにくい測定方法であることが示唆された.
- 2002-12-25
著者
関連論文
- 眼の感染と免疫 : ヘルペスの潜伏感染, 再発, 新治療法
- 15. 大阪府で見出された東洋眼虫症の1例(第53回近畿大学医学会学術講演会)
- 大阪府で見いだされた東洋眼虫症の1例
- ラタノプロスト単独への変更投与の検討
- TINU 症候群におけるフルオレセインおよび ICG 蛍光眼底造影所見
- 第102回 日本眼科学会総会 特別講演I : 視野検査法の基礎と臨床
- Dicon LD 400型視野計の使用経験
- 近畿大学眼科における角膜腐食, 角膜熱傷の検討
- 緑内障における新しい視野解析プログラム Polar Graph の使用経験
- Octopus 101 Kinetic Programの使用経験
- 角膜上皮形成術と全層角膜移植術の併用が奏効した水疱性角膜症の1例
- 中間透光体の混濁が視野測定に与える影響
- 視野のベースライン (緑内障セミナー 緑内障3分診療を科学する!--NTGのベースラインを探る)
- ラタノプロスト単独への変更投与の検討
- Heidelberg Edge Perimeter (HEP) の使用経験