<原著>呼吸器疾患におけるリンパ球に関する免疫学的研究 : 第 2 篇サルコイドージス患者血清のヒト・リンパ球のヒツジ赤血球による rosette formation 阻害作用に関する研究
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概要
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1.サルコイドージス, 肺結核患者血清は, 全例について健常人末梢血リンパ球のE-rosette formationに対する阻害作用を有することが認められた。一方, 肺癌患者血清については, 5例中3例にE-rosette formation阻害作用が認められた。またEAC-rosette formationに対する阻害作用についてはこれら3種類の疾患について著明な阻害作用は認められなかった。2.各患者血清を1/3飽和硫安塩析法により分画し, その上清と沈渣のE-rosette formationに対する作用を検討したところ, サルコイドージス患者血清の沈渣分画のみ明らかなE-rosette formationの阻害作用が認められた。さらに抗ヒトIgGウサギ血清でこの分画を吸収すると阻害活性が消失したところから, この阻害作用物質はIgG分画に存在することが明らかにれた。3.サルコイドージス患者血清中にE-rosette formation阻害特質が存在し, その本体がIgGであるという著者の成績は, サルコイドージスにおける免疫異常の機序を説明する上に重要であるばかりでなく, 将来サルコイドージスの発症機序の解明にとってもきわめて興味ある成績であると考えられる。
- 京都大学の論文
- 1978-03-30
著者
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