モダニティとフェミニズム : ポストモダン・フェミニズムのジレンマ
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概要
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ポストモダン・フェミニズムは,近代西欧の認識論,すなわち合理性/非合理性の二項対立を中軸とする合理主義的な認識論を,じつはそれが男性性/女性性の二項対立を中軸とする男性主義から生成されたものとして拒斥する.そのさい,ポストモダン・フェミニズムは,ポストモダニズムとフェミニズムの関係を,ポストモダニズムはフェミニズムにロゴセントリズムからの脱却の糸口を提供するに対し,フェミニズムはポストモダニズムにファロセントリズムからの脱却の糸口を提供する,という相互補完的な関係として捉える.しかし,モダニティとポストモダニティは宇宙/反宇宙のように完全に不親和であり,ゆえに,モダニティに対するポストモダニズムの戦略は,フーコーの戦略がまさにそうであるように,モダニティの外部からの「雑音」のインプットという形式にならざるをえない.しかし,フェミニズムがまさにフェミニズムであるためには,そのような戦略を選択するわけにはいかない.そこに,ポストモダン・フェミニズムのジレンマが存在する.
- 九州大学の論文
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