J.S.バッハ《カンタータ第82番"我は満ちたれり[Ich habe genug]"BWV82》の研究
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概要
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宗教カンタータや宗教オラトリオなどに代表されるJ.S.バッハの声楽作品を演奏するに当たり,彼の用いた音楽言語の理解,それによる表現意図の分析は,演奏家にとって必要不可欠の要素である。本稿はその考えに基づき,〈カンタータ第82番“我は満ちたれり[Ich habe genug]”BWV82〉(以降〈カンタータ82番〉 と表記)の分析研究を行ったものである。〈カンタータ第82番〉において,J.Sノヾッハと歌詞作者は,福音書の注釈による会衆の理解という目的のために,ルカ伝2.29にあるシメオンの「満ち足りて死を思う」言葉をその中心として描いた。そして,その「死」の思いを焦点化し発展させることによって「聖霊の啓示の成就の喜び」という主題を浮き上がらせた。また,その歌詞は祈る「私」たちとも密接に関連づけられ,さらにバッハの圧倒的な表出力を持つ音楽言語によってそのテーマはより具体化され,映像を見るかのような具体性をもって聴衆に訴えかける。福音書内容の音楽と歌詞による追体験,それによる学習と理解という構想をもってJ.S.バッハと歌詞作者はこの作品を制作したと考察する。Der Forschungsbericht ist die Forschung uber "Kantate Nr. 82 [ich habe genug]".J. S. Bach und der Texster dieser Kantaten dachten daran, dass die Horer den Inhalt vom Evangelium nacherleben, um den Inhalt vom Evangelium zu verstehen und lernen. Damit J. S. Bach das Ziel erreichte, komponierte er mit seiner Musikalischen Sprachen. Und er druckte die Freude von der Erfullung der Verkundigung des Heiligen Geistes aus.
- 上越教育大学の論文
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