登校拒否生徒の心理特性に関する一研究 : 感情表出トレーニング適用事例を通して
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概要
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登校拒否生徒における心理特性の1つとして,消極的な自己像があげられている。本稿では,まず,筆者らの臨床的知見から,彼らの消極的な自己像を具体的に4つにまとめた。また,それを踏まえて登校拒否の発生機序モデルを明らかにした。次に,その発生機序の中核をなすと思われる歪められた感情,特に孤独感と劣等感に焦点を当てて考察を加えた。その上で,彼らへの新たな指導法として考案した感情表出トレーニング適用の事例を通して,登校拒否生徒の感情の変容過程を分析・検討した。さらに,今後もこの手法を登校拒否生徒に適用するにあたっての検討課題を示した。Negative self-image is considered as one of the psychological traits of school refusal students. In this study, first of all, we summed up their negative self-images into four model cases, from the viewpoints of our teaching and clinical experience, and then, we clarified the model about mechanism of school refusal phenomenon. Secondly, we examined their distorted emotion, especially, loneliness and inferiority feeling, which are regarded as the leading factors. Moreover, we analyzed and probed the emotional changing process of school refusal students through the case study of the training for emotional expression which was developed as a new trainig method for them, and indicated some problems at the practice of this approach.
著者
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