<総説>電子顕微鏡によるシナプス研究の歩み : その超微構造と働き
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
シナプスとは神経細胞間の連絡が機能的に果たされている部位として, はじめてSherrington (1897)によって命名された。光学顕微鏡の解像力ではシナプスの超微構造を生理学的機構の説明に必要なレベルまで明らかに出来ない。電子顕微鏡の出現によって, その驚異的な分解能と拡大率でシナプスの構造解析が行え, 初めてシナプス間隙とシナプス小胞の存在が明らかにされた。また, この発見は網状説と神経元説との長い歴史的論争に決着をつけたばかりでなく, 生理学で言う興奮性シナプス及び抑制性シナプスを超微形態学的に区別しうる可能性をもたらした。本文では, シナプスの概念が形成されてきた研究過程にまつわる歴史的背景とその超微構造及び働きについて, 自験例も加え解説する。現在, 神経科学の種々なる分野(生理学, 薬理学, 生化学, 解剖学)で, 脳内の神経情報の流れや作用機序, またその背景となる構造を巡り, このシナプスを焦点として日夜研究が続けられている。
著者
関連論文
- f MRIによる回転角度の異なる Mental rotation 時の賦活
- ヒト大脳皮質溝のパターンと幾何学的特徴の関係
- ヒト大脳皮質の形態計測学的研究 : MRI画像の3次元解析
- ヒト大脳皮質溝のパターン解析
- 電子顕微鏡によるシナプス研究の歩み : その超微構造と働き
- [1]大脳皮質の幾何学的特徴の数量化(脳の高次機能の局在と解剖学的特徴の研究)
- 脳の高次機能の局在と解剖学的特徴の研究
- プラスティネーション実物人体標本作成に関する調査研究 大連市・瀋陽市(中国)
- 脳の高次機能の局在と解剖学的特徴の研究
- [1]大脳皮質の幾何学的特徴の数量化(脳の高次機能の局在と解剖学的特徴の研究)
- 第8回国際プラスティネーション会議(オーストラリア・ブリスベン)に参加して(学会探訪)
- 電子顕微鏡による神経細胞とシナプスに関する超微形態学的研究-画像解析装置によるその定量化-
- 電子顕微鏡による神経細胞とシナプスに関する超微形態学的研究-画像解析装置によるその定量化-(脳障害の発症機構と病態に関する基礎的研究)
- 画像上の脳組織の判別と計測の自動化の研究(脳の高次機能の局在と解剖学的特徴の研究)
- 物体および空間認識時の脳機能の研究(脳の高次機能の局在と解剖学的特徴の研究)
- 大脳皮質の幾何学的特徴の数量化(脳の高次機能の局在と解剖学的特徴の研究)
- 脳の高次機能の局在と解剖学的特徴の研究
- ヒト大脳皮質の厚さの研究(脳の機能的および形態計量学的研究-画像診断装置による解析- )
- プラスティネーション実物人体標本に関する調査研究
- ドイツのコ・メディカル人体解剖学に関する実習の在り方と方法論の調査研究