<学位論文要旨>マツノマダラカミキリの産卵生態に関する研究
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概要
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マツノマダラカミキリは材線虫病の病原体であるマツノザイセンチュウの主要な媒介昆虫であり,その個体群レベルは本病の伝播に直接関わっている。本種の産卵生態を明らかにすることは,その個体群レベルを高く維持する機構を解明するために必要であり,将来貴重な森林資源となることが予想されるマツ林の保全にとっても有益な情報を提供するであろう。マツノマダラカミキリは衰弱したあるいは枯死して間もないアカマツやクロマツに産卵する。雌成虫は樹皮を咬んで傷をつけ,そこから産卵管を挿入して樹皮下に産卵する。この傷は「産卵痕」と呼ばれ,マツの樹皮上で一様に分布することが知られている。しかし,一様分布の形成機構や生態学的な意義は不明である。本研究ではマツノマダラカミキリの産卵生態を調べ,産卵痕の一様分布の形成機構と一様分布の生態学的意義を明らかにすることを目的とした。
- 広島大学の論文
- 1998-12-28