<研究ノート>鉄欠乏食ラットの肝臓,脾臓および褐色脂肪組織における鉄含有量の変化
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概要
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我々はラットの肝臓,脾臓および褐色脂肪組織の鉄含有量におよぼす鉄欠乏食の影響について検討した。血中ヘモグロビン濃度およびヘマトクリット値は鉄欠乏ラットにおいて有意に減少した。5週間鉄欠乏食を摂取したラットは肝臓重量,副睾丸脂肪組織および後腹壁脂肪組織の重量において減少傾向を,脾臓重量および褐色脂肪組織重量において増加傾向を示した。鉄含有量は5週間の鉄欠乏食処置後,肝臓および脾臓において有意に減少した。一方,褐色脂肪組織における鉄含有量は1週間の鉄欠乏食処置後,有意に減少したが,5週間の処置後は増加する傾向があった。これらの結果は組織中の鉄含有量の変化は肝臓や脾臓と褐色脂肪組織との間で異なる可能性を示唆している。
- 2003-03-31