<原著論文>ラットの白色脂肪組織および褐色脂肪組織に及ぼす鉄欠乏食の影響
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概要
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ラットの白色および褐色脂肪組織に及ぼす5週間鉄欠乏食の影響について検討した。動物は次の3群に振り分けた全鉄欠乏(ID)群, コントロール制限給餌群, コントロール自由摂取群。5週間のID食処置は, ヘマトクリット値, ヘモグロビン量, 血清鉄量を有意に減少させた。IDラットは5週間にわたって,コントロールラットよりも成長が遅かった。1週間の飼料摂取量は, それぞれの詳聞で類似していたが, ID群における飼料効率は他の群に比べて, わずかに増加した。5週間後, ID群における飼料摂取量と飼料効率は, コントロール群のそれらと比べて低下した。ID食はID群における相対心臓重量を有意に増加させた。1週間のID食処置は, 白色脂肪組織(副睾丸および後腹壁脂肪塊)または褐色脂肪組織(肩甲間脂肪塊)の相対重量に影響しなかった。5週間のID食処置後, 白色脂肪の相対重量は有意に減少したが, 褐色脂肪の相対重量に変化はなかった。これらの結果から, 5週間のID食処置において, 白色脂肪組織重量は有意に減少するが, 褐色脂肪組織重量に影響はないことが示唆された。
- 2002-03-31