<原著論文>アルコール・リハビリテーション・プログラム参加者の入院期間中の意識変化 : アンケートによる追跡調査の結果より
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概要
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アルコール依存症には,治癒がなく断酒し続けることが回復に繋がる。その回復率は約20〜40%であり,連続飲酒による身体疾患や自殺により死に至るケースが多い。今回,この回復率が低いことに着目し,Alcohol Rehabilitation Program(以下ARPと略す)参加中の患者を対象に,アンケートによる追跡調査を実施した。結果から対象者の意識変化の実態を分析し,依存症者に対するARPの示唆を得ることを目的として研究を行った。アルコール依存症者は,入院治療におけるARPを通して社会・精神・学習的側面において,プラスの意識変化を確認することができた。ARPの集団療法は,対象者同士が交流することによって,受け手・与え手の役割を行い,自分を自分で助けるself-help,相互に支えあうmutual-helpとして,自助グループ的に機能している。プログラムへの参加と他患者との交流を通して,対象者の内省化が促進され,身につけた古い生活習慣を捨て,否認というメカニズムを解除し,現実を生きようとする内発的な動機付けにつながる。
- 順天堂大学の論文
- 2002-03-29
著者
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