<論説>精神障害の初期治療時への提言
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概要
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向精神薬のめざましい進歩は精神障害の治療に偉大な貢献をしてきたが, 一方では患者への心理療法的アプローチを軽んじる傾向を産んだようにも思われる.特に初発の患者への心理療法がほとんどなされていないことは問題である。以上の考察から, 筆者は精神病を含む患者に心理療法をおこなった経験を報告するとともに, 心理療法の効果について考察する。要約すればセラピストと患者の長期間にわたる共感的ふれあいから両者の問に深いラポールが生じるのである.このことは分裂病者でも珍しくない.このアプローチに最も適するのは臨床心理士だと筆者は思う。その理由についても考察している.そして臨床心理士を育成するためのひとつの提案をおこなう。