<原著>親の訴える高校生の適応障害
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概要
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本稿は高校生のメンタルヘルスについて,親に対して面接相談をおこなった結果を検討したものである。対象は岡山市内の某公立高校で年2回の定期相談日に1984年から1991年の8年間に来談した48例である。相談内容は不登校, 不勉強, 親に反抗的態度などの問題行動がもっとも多く(32例),次いで対人恐怖,不潔恐怖などの神経症症状(9例)と下痢,腹痛,頭痛などの精神身体症状に関するもの(9例)であった。問題の発症時期は入学直後の1年1学期がもっとも多く,以後時間の経過と共に減少傾向が著明であった。来談したのはほとんど母親だけであって,父親の来談は5例にすぎなかった。母親の態度は子供に過保護的で,青年期心性を病的とみて,子供の過度の自意識や情動不安定性,攻撃性などに過敏に反応し不安,困惑する態度が特徴的であった。