生得論から見た文化の普遍性と多様性 : 認知文化人類学の試み
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概要
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チョムスキー(Chomsky, Norm)は,「普遍文法」(Universal Grammar, UG)において,言語の生得性を主張し,現代認知科学の扉を開いたが,ユング(Jung, C. G.)は,「集合的無意識」(Collective Unconscious, CU)によって,心理学の分野でほぼ同じ内容の生得論を発展させていた。両概念は,基本的にほぼ同一と言ってよく,そのため言語の普遍性と多様性を説明するUGの手法は,文化の普遍性と多様性を説明するCUにも有効であると期待できる。ここでは普遍文法で想定されている「パラメータ」を集合的無意識に応用し,河合隼雄の「父性原理」と「母性原理」を「文化のパラメータ」の具体例として扱い,文化的差異の統合的派生を試みる。この試みは,文化人類学を認知科学の一部として再解釈することであり,両者を結び付けた新たな統合的学問領域,認知文化人類学を予知するものである。
- 富山県立大学の論文
- 2001-03-30
著者
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