青年期女子における性格と自我確立との関連
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概要
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自我の形成に関与する要因として個体の素質的要因と環境要因との二要因が考えられる.本研究は, 個体の素質的要因として性格を, 環境要因として親子関係の在り方を取り上げ, 性格と自我の確立との間に考えられる一定の関係に親子関係の違いがどのような変化をもたらすかを通して, 親子関係が及ぼす自我の確立への影響を調べようとする筆者の一連の研究の一部をなすものである.この一連の研究は, その方法論においてオリジナル性を持っている.従来, 親子関係の自我への影響に関する研究では, 親子関係と自我との二変数の間の関係を調べることによってその影響を見つけようとする研究が多く, このような方法論に立つ限り, 親子関係の違いが自我の確立に影響を及ぼしているのか, または自我の確立の程度が親子関係の違いを生じさせているのかという, 原因と結果の関係が曖昧なままにされがちになる.それ故, 本研究は上記の二変数に個体の素質的要因としての性格というもう一つの変数を加え, この三つの変数間の関係を分析することによって親子関係の自我の確立への影響を調べ, 同時に上の原因と結果の問題を解決しようとするものである.今回のレポートはその第一歩として, 個体の素質的要因としての性格(神経症的傾向, 外向性-内向性)と自我の確立との関連を見つけることにあり, 結果としては, 両者の間には相関があり, 特に神経症的傾向と自我の確立との間にはかなり高い相関があることが分かった.
- 名古屋文理大学短期大学部の論文
- 1996-04-01
著者
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