トシルクロリド-ジメチルスルホキシド系活性化剤による芳香族ポリエステルの直接合成
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概要
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トシルクロリド(TsCl)を縮合剤とし,新規の触媒としてジメチルスルホキシド(DMSO)を用い,高分子量の芳香族ポリエステルの直接重縮合による合成を検討した。反応機構は次の様に考えられる。TsClを一般的にAr-SO_2Clで示すと,まず,Ar-SO_2ClがDMSOと付加体(I)を形成し,(I)にRCOOHを加えると混合酸無水物(II)を生成する。次[chemical formula]いで(II)にR'OHが反応しエステル(RCOOR')を生成する。付加体(I)を形成させることにより,一層効率よく混合酸無水物(II)を生成しうると考えられる。合成条件を検討するために,モデルポリマーとしてビスフェノールA(BPA)とイソフタル酸(IPA)/テレフタル酸(TPA)の等モル混合物との重縮合を種々の条件下で行い,生成したBPA-IPA/TPA(50/50)コポリマーの対数粘度(η_<inh>)を測定し,その値から重量平均分子量(M^^-_w)を求めた。この重縮合は付加体(I)の形成やジカルボン酸の活性化(II)などの重合反応の前段階の反応が重要であり,これらの最適条件を決定した。また,高分子量のポリマーを生成するためのジオール溶液の最適滴下速度が存在する。この事実を,開始反応や生長反応の考えをとり入れ解釈した。DMSOの最適量を添加することによって生成するBPA-IPA/TPA(50/50)コポリマーのM^^-_w=65,000であり,添加しない場合のM^^-_w=11,000の約6倍の高分子量のものを得ることができた。
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