木綿縞の染織文化 : 越原家の縞帳分析から(1)
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概要
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日本の国民の染織文化は,木綿の発達によって変革したといえる.特に江戸時代から明治期における日常衣料の代表は木綿縞であり,それらは常民の染織文化である.縞は,織物技術上から見て,最も素朴な発想から生まれた模様で,水平又は垂直の単純な線から成り立つ造形の基本的形態である.その系譜を時代と共に辿ってみると,しまの字や,呼称また,その価値観や美意識も世相によって複雑に変貌し今日に至っている.江戸時代後期から,明治期の庶民の染織文様として発達した綿文様は,主婦達のささやかな美を求める心と手によって,織りあげられたデザインである.またそれらの綿を集めた縞見本ともいえる稿本(縞帳)は生活と共に生きた証しであり,染織文化を物語る貴重な資料であると考える.従って,それらを分析し記録に残す必要性を感じている.今回は,岐阜県の山村に残存していた綿帳を分析し,記録することによって,木綿縞の染織文化を解明する一助となると考えこれを進めた.
- 名古屋女子大学の論文
- 1993-03-05
著者
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