美術作品に見る視線と文化の拘束
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概要
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西欧の近代絵画はルネサンス期の遠近法とともに生まれた。固定された画家の視線が示す空間だけが真理であり,正義であるという信仰。その遠近法的認識は「デカルト的切断」と呼応して西欧文明の骨格となり,まなざしは「所有・支配の道具」ともなっていく。一方,19世紀後半になって,形骸化した遠近法画法への果敢な挑戦が相次ぎ,ついにピカソらが立体主義の風穴をあけた。これらの軌跡を日本の浮世絵など諸作品を紹介しながら具体的に追っていく。
- 2000-03-31