発話行為論序説 : 身体システム論に依拠して
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概要
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常識的な理解に従えば,発話行為とは,語る主体としての<私>が言語という道具を使用して自らの言いたいことを他者に伝える行為である。本稿は,このような理解を斥け,身体システム論に依拠して発話行為に関する新しい理論の基本的な枠組みを構築しようとする試みである。本稿で行われる実質的な作業は次の通りである。まず,発話行為を身体システムの構成素の一つとして措定する。次に,身体システムの産出作動が意識システムに浸透されていることを示した上で,身体システムが発話行為を産出する機制を明らかにする。そして最後に,身体システムによって産出された発話行為がオースティンの言う発語内行為及ぴ発語媒介行為を発現させるための条件を呈示する。
- 三重大学の論文
- 2002-03-25
著者
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