超低出生体重児3歳児における身体発育と神経学的予後との関連性について
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概要
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超低出生体重児の3歳時予後に関する全国調査で3歳まで追跡された853例のうち,体重・身長・頭囲の計測値のある544例について,その身体発育と神経学的予後との関連性にづいて検討した.各身体計測値は極低出生体重児の生後の発育曲線に基づくGrowth index値に標準化して比較検討した. light-for-dates(LFD)児正常発達群のGrowth index値は体重が-0.53±0.97,頭囲が-O.42±1.12とappropriate-for-dates (AFD)児正常発達群に比べて有意に低値であったが,身長では有意差を認めなかった.脳性麻癖+精神発達遅滞群では, AFD児, LFD児ともに体重,身長,頭囲の各Growth index値は正常発達群に比較し有意に低値を示していたが,脳性麻痺群ではいずれのGrowth index値も正常発達群と有意差を認めなかった. 精神発達遅滞群ではAFD児のGrowth index値は体重・頭囲において正常発達群よりも有意に低値であった.また3歳時体重・身長・頭囲のGrowth index値がマイナス1.0未満となる危険因子を検討したところ. LFD児群,神経学的後遺症群ではいずれのodds比も有意に高値を示していた.また男児は女児に比べて体重におけるオッズ比は1.87と有意に高値を示していたが,身長及び頭囲では有意な差は認められなかった.
- 神戸大学の論文