極・超低出生体重児の就学前における親子のコミュニケーション・スタイル
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
極・超低出生体重児の就学前における親子のコミュニケーション・スタイルを検討することを目的とした。方法としては、ジグソーパズルを用いた課題状況を設定し、そこに展開される13組の親子(男児:5名、女児:8名 ; 母親:12名、父親:1名)の相互交渉を観察した。観察された親子それぞれの行動は、評定尺度法を用いて評価した。クラスター分析を行った結果、親子ともにそれぞれ2つのグループに分類された。子どもグループ(A群、B群)のメンバーと親グループ(I群、II群)のメンバーを比較検討した結果、A×I, B×I, B×IIという3種類の親子の組み合わせがみいだされ、極・超低出生体重児の就学前における親子のコミュニケーションは3つのスタイルに分類できることが明らかになった。子どもの行動とIQの間に高い相関が認められ、子どもの行動パターンは知的レベルによって規定される要素が強いと推察された。しかし、子どもの評定項目と親の評定項目の間の相関関係から、親子関係において重要な意味をもつのは子どもの知的レベルではなく、子どもの情緒性とそれに関連する親の行動であることが示唆された。したがって、子どもの情緒性が低いB×IIの親子は、親子関係においてリスクの高いコミュニケーション・スタイルをもっていることが推察された。
- 神戸大学の論文
著者
関連論文
- 極低出生体重児の就学前における親子関係 : 行動評定尺度法によるコミュニケーションスタイルの分析
- 自閉症高危険児における母子愛着関係異常
- 極・超低出生体重児の就学前における親子のコミュニケーション・スタイル