<事例研究>自閉児T君とのサインの共有をめざして
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概要
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自閉症の子どもに接触を求めようと笑顔で近寄っていく。そうすると,たいていはめんどうな様子で斥けられることがほとんどである。自閉児が時おり見せる常同行動,自症行為,機械的なことばのくり返しといったものの中には,私たちが理解できるしるしの何一つもないように思われる。自閉児の世界は,私たちの世界とは全く異なったところに存在するかのようである。 私はT君という一人の自閉症の子どもと関わりをもった。このT君と私の世界が近づき重なり合うことがあるのか,その接点はどこに見い出されるのか。このことがまず何よりも重要な課題であった。このT君との共有点を見い出すべく試行錯誤をくり返したが,関わりのきっかけは身体を介しての遊びによって得られ,その後は身体を通じての活動を多く試み,二人の共有体験を深めることに努めた。この共有体験の深まりの中で,二人の間で徐々にサインが育っていくに至り,このことがまた,新たな関わりの道を開くきっかけとなった。
- 北海道教育大学の論文
- 1989-03-11
著者
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山下 雅永
苫小牧市立啓北中学校山なみ分校,北海道教育大学情緒障害教育教員養成課程第8期生(1988年度)
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山下 雅永
苫小牧市立啓北中学校山なみ分校 北海道教育大学情緒障害教育教員養成課程第8期生(1988年度)
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山下 雅永
北海道教育大学情緒障害教育教員養成課程