統合教育の現状と展開 : 白老町立森野小中学校における実践を通して
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
今日,障害児教育は,特殊教育諸学校における分離方式により推進されているが,それは,障害をもつ,もたないにかかわらず,子どもたちに本当に最良の教育条件を用意しているのかが問われなければならないであろう。このような疑問に対して,分離方式がとられる一方で,障害児と健常児が共同的に生活する「統合」という新しい流れが生まれている。「統合教育」とは,子どもたちにとってよりよい教育環境を整備し,障害児と健常児が触れ合う機会を日常生活の中に自然に設けることにより,意識の交流をめざそうという考え方である。障害をもつ子どもたちの発達を保障し,さらに,健常児とともに生活できる学校,このような教育環境を実現した学校が,白老町の森野小中学校である。この学校では,「子どもを主人公に据えた学校の創造」という理念をもとにした実践をめざすとともに,心身障害児通園施設を隣接するという構造上の特殊性から「学校教育と療育・訓練の両立をめざした同一地・一環体制」の確立に取り組んできた。この体制を整備しつつ,現在では,地域の「教育と福祉のセンター」として機能するに至っている。
- 北海道教育大学の論文
- 1988-03-15