言語発達の遅れている子供の状態,変化について : 自閉症児と精神発達遅滞児を比較して
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概要
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言語発達遅滞を主脈として,旭川医科大学付属病院小児科外来通院中の患児でポパテン酸カルシウムを服用している自閉症児,精神発達遅滞児の保護者に対し,13項目からなるアンケート調査を行い,33名の患児に対して薬物治療開始後のことば,対人関係などの発達の程度,発達の変化について検討した。自閉症児において,薬物治療後の経過,年齢における発速度が比較的高かったものは,多動性,基本的生活習慣,刺激に対する過敏な反応であった。逆に低かったものは対人関係に関するものであった。同様に,薬物治療後の変化率が大きかったものは,言語指示理解や基本的生活習慣に関するものであり,小さかったものは,対人関係に関するものであった。精神発達遅滞児において,薬物治療後の経過,年齢における発速度は全体として高かった。低かったものは,対人関係に関する項目であった。薬物治療後の経過による変化率が大きかったものは,発語,対人的要求表現に関するものであり,逆に低かったものは,固執性,問題行動に関するものであった。しかし,固執性,問題行動に関するものは発速度がかなり高かった。以上より,教育,指導に関して,自閉症児に対しては,まず,言語指示理解,基本的生活習慣の指導を中心に,個別的に指導を行うことが望ましいと考えられた。それに対し,精神発達遅滞児の指導は,対人関係の改善に重点をおくべきで,早期の集団療育,集団教育が望ましいと考えられた。
- 北海道教育大学の論文
- 1985-03-15
著者
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