T君のこと(2)
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概要
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3年間のT君とのかかわりを通して,私はいろいろなことを学びました。彼が示す,かむ・つかみかかるという行動を,常識という枠にあてはめてみて善悪をつけたり,他害という言葉ひとつで片付けたりするのではなく,小さな目や手の動きから,その行動の奥にある彼の思いを受け止め,その思いの実現にむけてどのように支えていくか,ということが大切なのだということを,改めて強く実感することができました。受容というのは,そういうことなのではないでしょうか。また,彼が粗い行動を起こすときには,自分の思いを持ちながらも,限界になるまでがまんづよく相手にあわせようとしていることが分かり,彼を信じてどのようなときでも一緒にいることができると「腹をくくる」ことによって,互いの信頼関係ができたように思います。
- 1999-02-10