場面緘默児Y・H君が声を出して話せるまでの場面設定の試み : IEPの考え方を取り入れて
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概要
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旭川市情緒障害教育合同研究会では,平成6年度からIEP(個別教育プログラム)への取り組みをはじめ,これまでの実践研究の積み重ねを受け,「通級制」という指導システムのなかで情緒障害児学級と親学級と家庭の三者の連携をより深め,子どもの変容を捉え,状態に応じた指導ができることをめざした。本論ではIEPの試案を通して,場面緘黙児Y・H君の平成8年度の前期(4月〜9月)の事例を紹介していきたい。Y・H君は,1年生から情緒学級に通級しているが,6年生(本年)になって,情緒学級で好きな将棋の本を読むことをきっかけに,声を出して話せるようになった。発生に至る背景として情緒学級と親学級と家庭の三者の連携が挙げられる。三つの場面で共通して大切にしたことは(1)安心できる,(2)自分を表現できる,(3)楽しい,という状況設定であり,このことによる自己の解放が発声を導いたと思われる。この連携が,今の現状の中で私たちが取り組めるIEPであると考えている。
- 北海道教育大学の論文
- 1997-02-07
著者
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