北海道情緒障害教育研究会20年の歩み
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概要
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本研究は,北海道における情緒障害教育の発展過程を北海道情緒障害教育研究会(以下同情研)の20年間の大会主題と分科会の内容を逐年的に検討することによって明らかにしようと試みた。研究内容が時代的にどのように変化していったのかについて大会要項,研究収録などの資料から重要な所を取り出し,整理してみていくことと,関係者への面接を行った。その結果,(1)大会主題が何年間か同一であること,つまり年次プロックで大会を編成していること。(2)当初の事例発表中心主義から,しだいに分科会を取り入れ,さまざまな実践方法について協議して来た。(3)大会の講師としてその地域に根ざして活動してきた人を選ぶという配慮がある。(4)その時代に全国的な間題とされていることを取り上げ,分科会やシンポジウムの主題としている。(5)研究の内容が自閉症から出発したが,次第に不登校・緘黙,神経症,行動障害,そして学習障害へと拡大している。(6)当初の学校教育関係者だけの参加から広範な関連専門分野からの参加者に拡大している。こうしてみてくると道情研20年の歩みは,現代の日本の学校児童間題の歩みそのものであるように思われる。
- 北海道教育大学の論文
- 1993-03-17