不登校児の母親面接
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概要
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心の問題は,その個人の問題として限定して取り扱うには限界がある場合がある。特に子供の問題行動は,家族全体の問題を代表して,それを表出していることがしばしばある。ここでは,不登校を呈している小学生女児の母親に面接し,その面接を通して家族の関係性に改善をもたらし,それにともなって子供が不登校を克服していった一例を報告した。面接の経過中,父親の家庭での不在状況や,長男の母親からの自立によって,家の中に取り残されつつある母親の不安が,浮き彫りになった。同時に面接を通して母親は,自己の不安を克服し,それとともに長女の不登校が改善され,父親も家庭に滞在するようになった。長女はこの経過において,しばしば父親に働きかけ,家族の一員として他の家族にかかわることを促した。最後に日本の家族は,目先の文化の変容にかかわらず,常に一つにまとまりたいという意識のあることを考察した。
- 1992-03-31
著者
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