文字言語を媒介にした対人行動調整の試み
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概要
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A児は,幼少期より人とのかかわりを拒み,人を受け入れることができずらい児童であった。情緒障害児学級(以下情緒学級)に通級してくる多くの児童は,人とのかかわりにおいてなんらかの障害を持っている。A児にどうかかわれば人を受け入れてくれるのか。その糸口をどこに見い出せばよいのか。筆者は試行錯誤の中で,A児が自発している行動に目を向け,生命活動が生き生きと展開できるような活動にしようと行動の調整を行ってきた。その過程で,文字言語の獲得に伴いA児の自己調整^<1)>の状態が次第に安定したものとなり,想像的な活動が見られ,行動にも広がりがでてきた。本報告は,A児のつまづき状態はそのまま筆者(以下T.)のつまづき状態であると認識し,相互に調整しあいひとつひとつの壁をのりこえてきた4年4ケ月の学び合いの記録である。
- 北海道教育大学の論文
- 1991-03-25