正常児の調音発達 : パラトグラフのよる視察
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概要
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パラトグラム, 聴覚印象および口腔形態計測によって, 正常児の調音発達過程でみられる特徴を観察し, さらに第一大臼歯萌出および前歯交換に伴う口腔形態変化と調音発達との関係を統計学的に検討した。発語明瞭度の成長変化は, 3歳前期から4歳後期にかけて著しい上昇を示し, その後7歳後期までは上昇がやや緩慢となり, 7歳後期から8歳後期までは上昇がみられなかった。パラトグラムの型を2系8型に分類し, さらに標準型と変異型の区別を行なった。第一大日歯萌出終了直後は/tla/, /pa/および/ki/, 前歯交換終了直後は/sa/, /za/および/&imoust;a/の標準型の割合が大きく増加した。パラトグラム各型の音別明瞭度は, 各型内において成長に伴い上昇がみられた。また標準型に比較して同じ音節の変異型の方が音別明瞭度の高い場合が多く, 低年齢程それが著しかった。第一大臼歯萌出に伴ってみられた口腔形態の変化は, 上顎口腔長径, 上顎口腔幅径, 上顎歯列弓概形およびS状隆起の形状において著しく, パラトグラムおよび音別明瞭度の変化との関りが, それぞれみられた。前歯交換に伴ってみられた口腔形態の変化は, 上顎口腔長径, 上顎口腔高径, 上顎口腔前部幅径, S状隆起の位置およびoverjetにおいて著しく, パラトグラムおよび音別明瞭度の変化との関りが, それぞれみられた。
- 東北大学の論文
- 1983-12-25
著者
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