思春期後期における女子骨格型下顎前突症の顎顔面部の成長変化と血中の成長関連因子との関係について
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概要
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思春期後期における骨格型下顎前突症の顎顔面部の成長変化様相と, 血中の成長関連因子である成長ホルモン(GH), insulin-like growth factorI(IGF-1), オステオカルシン(OC), procollagen-III-peptide(PIIIP)との関係について検討した。資料は成長観察下にある12〜15歳の女子で, 骨格型下顎前突症25名(ClassIII群)と, 前後的に調和のとれた上・下顎関係を有する者23名(Class I群)の1年ごとに撮影された側面頭部X線規格写真, 手部X線写真および成長関連因子の各血中濃度である。結果は以下の通りであった。1.思春期後期におけるGH, IGF-I, OC, PIIIPの分泌動態, および顎顔面各部の成長量には, ClassII1群とCIass1群の間で明らかな差は認められなかった。2.各成長関連因子の血中濃度と顎顔面各部の大きさとは相関が認められなかった。3・OC, PIIIPは, Class III群およびClass I群ともに前顔面高および下顎骨の成長量との間で有意な相関が認められた。以上の結果より, 日常臨床で扱う下顎前突者における成長関連因子の血中分泌動態は, 顔面骨格型に調和のとれた者のそれと相違がないと考えられた。また, 血中OCおよびPIIIP測定値は思春期後期における個体の下顎骨成長予測の有用な指標になり得るものと考えられた。
- 東北大学の論文
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