電離層プラズマ中で観測された SHR 共鳴の特性 : E 層総合観測実験のインピーダンスプローブ特性
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
昭和63年1月26日11時00分00秒に内之浦(31.2゜N, 131.1゜E)から打ち上げられた観測ロケットS-310-18号機に搭載されたインピーダンス・プローブによって電離層電子密度の高度分布が高精度で測定された。また, プローブ特性が検討された結果, 低い高度領域では, fSHR-fPダイアグラム, CS-fPダイアグラムが特徴のある変化を示して, 低周波数領域でのプローブ等価容量値と, シース共鳴周波数(fSHR)がともに僅かに増加するとともに, fSHRなどの共鳴のQ値が悪化した。検討の結果, 低い高度領域では, 衝突周波数の影響で, 一様プラズマ領域の誘電率, シース領域の構造, 共鳴のQ値の変化などの現象が生じることがわかった。すなわち, 一様プラズマ領域の低周波数での誘電率が上昇するので, その結果, 低周波数領域でのプローブ等価容量値が増加する。また, 衝突周波数の増加によって電子がプローブ表面に到着するのが困難になり, 等価的にシースの厚さが厚くなって, その結果, fSHRが僅かだが増加する。さらに, 衝突周波数の増加によって一様なプラズマ領域とシース内の両方の抵抗分の増加でfSHRなどの共鳴のQ値が減少する。このロケット実験で観測されたもう一つの電離層プラズマ中でのシース共鳴周波数(fSHR)の特徴的変化は, 高い高度領域で観測されたCSの減少とfSHRの不連続的な増加で, これはシースの厚さが増加したためであると考えられる。シース厚/デバイ長の比の値は1.5から1.75に増加している。検討の結果, プローブが負に帯電したらしいことが推測されたが帯電の原因は謎である。
著者
関連論文
- SFUによる宇宙環境の研究
- SFUを用いた飛翔体環境の研究
- デブリ検出用レーザーレーダーの開発
- 電離層プラズマ中で観測された SHR 共鳴の特性 : E 層総合観測実験のインピーダンスプローブ特性
- SFU環境観測用分光器
- 電子密度ゆらぎのロケット観測
- 1G6-33 総合的な学習の時間と科学の祭典の融合の試み