<原著>尾部懸垂ラットモデルにおける骨髄内血流と骨量の変化に関する実験的研究
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概要
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尾部懸垂ラットにおける, 下肢骨髄内血流の変化と, 骨塩量, および骨形態計測パラメーターの変化の関係を検討した。さらに, 骨粗鬆症治療薬の一つであるエルカトニンを投与し, 骨髄内血流の変化を観察した。水素クリアランス法を用いて脛骨近位部の骨髄内血流を測定した後反対側の脛骨近位部を摘出し, 骨塩量濃度(BMD), マイクロCT装置(μ-CT), 組織学的骨形態計測を行った。さらにエルカトニン投与尾部懸垂ラットについても同様の検査を行った。これらによって, 以下の結論を得た。1)尾部懸垂ラットの脛骨近位部骨髄内血流量は, 懸垂5日群から有意に低下していた。2)尾部懸垂ラットでは, 早期の段階から特に骨吸収を示すパラメータの有意な上昇が見られたが, 統計学的に有意に骨髄内血流量と相関していたのは, μ-CT検査におけるMean Intercept Length(MIL)のみであった。3)エルカトニン投与尾部懸垂ラットでは, 溶媒投与群と比べて有意に骨髄内血流量が上昇していた。4)尾部懸垂ラットにおいて, 骨髄内血流が骨吸収を抑制することによって骨リモデリングに影響している可能性があり, エルカトニン投与における骨髄内血流量増加が, 骨吸収を抑制することによって骨量低下を抑制している可能性が示唆された。
- 広島大学の論文
- 2001-12-28
著者
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