脱毛促進剤に関する研究 (第II報) : ハイドロサルファイト脱毛法に就いて
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概要
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ケラチン中のS-S linkage破壊に依る還元性物質の脱毛促進効果に就いてNa_2S_2O_4・2H_2O及びNa_2S_2O_3・5H_2Oを用いて試験を試みたが両者は殆んど相似した成分であるにも拘らずその還元力の相違に依り, 添加濃度の増加と共に前者は後者に比し液のpH価を高め皮の厚度を増大せしめた。又脱毛時間と溶出蛋白量は両者共減少したが前者は後者に比し脱毛時間は著しく短縮し溶出蛋白量は幾分多かつた。総括的に見ればハイポの脱毛促進効果は非常に緩慢であり皮に対して殆んど悪影響を及ぼさない。皮に対し2∿3%の添加に依り多少その促進効果が認められた。一方ハイドロサルファイトは著しく脱毛時間を短縮し得たがその脱毛促進作用は硫化ソーダに似て著しく, Swellingは比較的少いが多量の添加に依つて"Quellung"を起し毛の加水分解も激しくて毛は萎縮した様な状態を呈する。皮片に依る試験及び工場試験の結果からも生皮に対し0.6∿1.0%の添加が適当である。最後に本試験を行うに当り終始御懇篤な御指導を賜わつた沢山博士に対し深謝の意を表し, 又研究費の一部は昭和28年度科学研究助成補助金を使用した事を附記する。
- 神戸大学の論文
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