<原著>日本語教育における異文化理解と他者理解 : 日本事情教育での文化の扱いをめぐって
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
日本語教育はおおまかに2つに分かれる。言葉を教える日本語教育と文化を教える日本事情教育である。昨今日本語教育で論じられるようになった異文化理解という概念は,もとはと言えば日本事情教育において,類型化された固有の文化を教えるという従来の形が変じて生まれたものであるが,それを歴史的,理論的に検討すれば,異文化理解とは個と個の関係をいかに構築するかという自他問題である,ということが見出される。文化を教えることから自他問題へという,日本事情教育の変化は,教育のみならず研究方法ともかかわって,日本語教育・日本語教育研究におけるダイナミックな視点の転換,新たなダイメンションを示唆するものである。
- 日本獣医生命科学大学の論文
- 2003-12-01