第37次南極地域観測隊気象部門報告1996
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概要
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この報告は, 第37次南極地域観測隊気象部門が, 1996年2月1日から1997年1月31日まで昭和基地において, 1996年1月23日から1997年1月24日までドームふじ観測拠点において行った気象観測の結果をまとめたものである。観測方法, 測器, 統計等は第36次観測隊とほぼ同様である。越冬期間中に特記される気象現象としては, 次のものがあげられる。1) 昭和基地においては7月から10月にかけて気温が平年より高めに経過し, 特に9月は月平均気温が平年値に比べ6.1℃も高かった。月平均気温は9月と10月に歴代1位の高温を記録した。2) 5月26日から28日にかけて発達した低気圧(ブリザード)に昭和基地が襲われ, 27日には最大風速44.3m/s(歴代3位), 最大瞬間風速61.2m/s(歴代1位)の強風を記録した。3) 昭和基地において, 8年連続で大規模なオゾンホールを観測し, オゾンホールが顕著だった10月, 11月のオゾン全量の月平均値は過去最低を記録した。特に10月の156m atm-cmは, これまで観測された月平均値の中で最小であった。4) 37次では36次に引き続きドームふじ観測拠点において越冬観測を行った。ドームふじ観測拠点における1996年の年平均気温は-54.4℃, 最低気温は5月14日に観測した-79.7℃であった。
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