南極昭和基地付近の海洋生物についての二,三の観察報告
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
第15次南極地域観測隊越冬隊に参加し, 1974年春季から1975年夏季にかけて魚類, 底生生物の採集を行い, 種組成を中心に観察を行った。魚類の採集は北の瀬戸, オングルカルベンおよびとっつき岬において釣獲によって行った。採集魚種は, Trematomus bernacchii, T. hansoni, T. newnesi, T. nicolai, Pagothenia borchgrevinki, Dissostichus mawsoni, Gymnodraco acuticepsの7種であった。このうち, T. bernacchiiは全体の73.1%を占め最優占種であった。ついでT. hansoniが15.1%を占め, これら2種がこの海域における魚類の大部分であることが判明した。形態的にはT. hansoniの体長モードはT. bernacchiiより大きく, それぞれ151∿200mm, 101∿150mmであった。トラップによる底生生物採集は, 北の瀬戸においてブリザードを除いて毎日行った。優占種は11月初めから急に採集されだしたSterechinus neumayeriであった。Lineus corrugatusも多く採集されたが, 11月中旬からはまったく採集されなくなった。
著者
関連論文
- 高知平野伊達野低湿地周辺における最終氷期以降の植生史
- 南八甲田山の山地帯にみられるアオモリトドマツ林の変遷
- 高知平野の岡豊低湿地完新世堆積物の花粉分析
- 南極昭和基地付近の海洋生物についての二,三の観察報告
- キミノクサイチゴ
- 南四国における第4紀の植生変遷 (黒潮圏の第4紀古環境特集号)