<論文>振動翼後流の実験
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概要
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ヒービング運動をしている翼について, Kuttaの条件が成立しているかどうかを,可視化法,レーザー流速計,ホットフイルム流速計を用いて実験的に検討した.可視化実験によれば,後縁を廻り込む流線が認められ, Kuttaの条件が局所的には成立しない場合のあることは明らかであるが,翼後縁より1/8弦長下流の断面で,レーザー流速計により求めた速度を集合平均した流れ場には,薄い速度剪断層,すなわち,渦層がヒービング運動をする翼後縁の軌跡に沿って見られた.線型ポテンシャル理論から求められた流れ場も同様な特徴をもっている.無次元化振動数が小さい時には,この渦層の強さと位相は線型理論値とよく一致するが,流れ場が線型的であるという仮定が成立しないような大きな振動数では,傾向的な一致に止まる.このことから,翼後縁からわずかに離れた下流では,集合平均的な意味で,Kuttaの条件が成立していることが確められた.無次元化振動数が,1.3より大きい時には,この渦層は成長して,下流で捲き上がり渦列を形成し,それより小さい時には,単に蛇行を続けて減衰することが可視化法とホットフイルム流速計による測定の結果,認められた.これらの測定とデータ処理には,ミニコンピュータシステムが活用された.
- 宇宙航空研究開発機構の論文
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