ベリリゥム銅合金板のばね特性
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概要
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ベリリゥム銅25合金(Be 2.0%, Co 0.2%)および10合金(Be 0.2%, Co 2.0%)の板ばね特性(KbとE)をジーメンス型のばね板試験機で測定した.25合金の板を300〜350℃で時効すると大きなKb,値が得られることは以前の⊿θ_<30>の測定の結果と一致する.10合金の板は375〜475℃で時効すると他の優秀な銅合金ばねと同じ程度のKb,が得られる;最適時効温度は圧延度によって左右される.光学顕微鏡でしらべた範囲では,溶体化処理をしてから250℃で1hr時効した25合金は結晶粒界でγ相の析出は明らかに見られるが,γ'相の析出は検出することができなかった.この試料は300℃より高い温度で時効すると粒界析出はもちろん粒内析出がはっきり見られる; これはよく知られた事実である.10合金は,どんな温度で時効しても,γ'相の析出を光学顕微鏡で検出することはできなかった.25合金および10合金の高温度におけるVHNを測定した.10合金ではおよそ570℃になってもまだ100の硬さを保っていることがわかった.
- 宇宙航空研究開発機構の論文