『ケンタウロス』と「オリンガー」小説
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概要
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ジョン・アップダイク(John Updike)の三番目の長編小説『ケンタウロス』(The Centaur)は1963年に出版され,翌年全米図書賞を受賞した。前作『走れウサギ』(Rabbit, Run, 1960)等の成功によって,既に作家としての地歩を固めていたアップダイクは,この作品によって若くしてアメリカ文壇の第一線に立つことになったのである。この『ケンタウロス』の背景となっている架空の町オリンガー(Olinger)は,作者アップダイクの生まれ故郷,ペンシルバニア州シリングトン(Shillington)がモデルとなっている。彼は同じオリンガーを舞台に短編小説も数多く書いているが,いずれも自分自身の回想をもとにした自伝色の濃いものとなっており,主題においても共通性がみられる。小論ではこのうち二作品を選び,『ケンタウロス』につながる主題と技法の展開について考察する。
- 東京家政学院大学の論文
- 1993-07-31
著者
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