<論文>酸性雨により発現量の異なる植物遺伝子
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概要
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酸性雨は,世界各地で被害をもたらしており,地球環境問題の一つに挙げられている。今後,地球温暖化や砂漠化などの地球環境問題が顕在化すると予想されるなかで,酸性雨が植物に与える影響を調べることは極めて重要な事項である。これまでに酸性雨が植物に与える影響についていくつかの知見が得られているが,植物が受けている酸性雨の影響を厳密に把握することは極めて困難である。そこで我々は,植物に対する酸性雨の影響を厳密かつ容易に,また迅速に調べるために,植物遺伝子の発現を指標として,植物に対する酸性雨の影響を調べる方法を確立しようとしている。ここでは,その第一段階として,酸性雨により発現量が異なる遺伝子の検索を行ったので報告する。材料としてシロイヌナズナ(Arabidopsis thalinana)を用い,酸性雨処理で発現量の異なる遺伝子をDifferential Display法により調べた。その結果,340bpの遺伝子が酸性雨処理でのみ発現した。また,400bpおよび280bpの遺伝子が酸性雨処理でその発現量が減少した。酸性雨により発現量の異なる遺伝子が確認されたことで,これらの遺伝子が酸性雨被害の指標となることが示され,植物遺伝子の発現を指標として植物に対する酸性雨の影響を調べることが可能であることが示された。
- 2003-03-30
著者
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