分裂病の家族療法と家族内力動 : ロールシャッハ反応を中心に
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概要
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今回, 我々は明白な分裂病と考えられる12例を選んで, その疾病過程と生活史を追求する一助として用いたロールシャッハ反応から, 家族内力動のいくつかについて報告した。こゝでロールシャッハ.テストを用いたのは, その症例の家族内に存する病因力動の程度を推定すると共に, 本テストが家族治療計画の確立のために, 役立ちうるかどうかをみるためであり, 患者とその両親の人格障害の程度を, テスト結果から多面的複合的に分析し患者の人格障害に両親のそれがどの程度関達しているかを検討した。その結果各症例において, その両親との相互関係に程度の差こそあれ, l)患者に対する病因的力動となっていると考えられる人格障害が存在ずることや, また各症例において, その家族療法の適用と必要がテスト結果から推定された。 2)両親の結合的な人格障害が, 患者の人格障害に直接的な関番匠をもっており, それぞれ4つの群に分類されえた。 1は両親が異質的で患者本人は, より障害度の強い親に類似していて患者本人の障害度が強く, 2は両親が類似していて患者本人はよりよい親に似ていて患者本人も比較的よい結果を示してをり, 3は両親共かなり良いが本人のみよくなく, 4は患者本人のみがよくて, 両親が共に著しく悪い, 等である。殊に高度の人格障害を示す母親をもつ患者自身の障害のみでなく, 両親の人格障害の様相が, 患者息音の予後にある程度関連をもっている可能性があると推定された。このようにロールシャッハ. テスト結果は分裂病家族治療の計画の一環として, これに具体的資料を与えると共にその家族内内勤の解明のための有力な資料として用いられうるものと考える。
- 園田学園女子大学の論文
- 1975-12-20
著者
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