タラ卵蛋白質の分別精製
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概要
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タラ卵の水溶性蛋白のうち, pH 8.0 S.F.について. DEAEセルロースカラムクロマトグラフィー及びSephadex G-200 によるゲルロ適法により分別を試み, 得られた蛋白質料について電気泳動,超遠心沈降を行なってそれらの純度を検定した結果は次の通りである。 1.タラ卵のpH8.0 S.F. は, サケ, マスの場合と同様, 電気泳動的に3成分の存在が認められた。2. pH 8.0 S.F.はDEAEセルロースカラムクロマトグラフィーの段階的溶出法により7両分に分別された。電気泳動分析の結果D_1, D_3, D_5, D_6は2〜3成分の存在が認められ, D_4は電気泳動的に単一性を示した。3. D_1はDEAEセルロースを用いた再クロマトグラフィーで4成分に, 又, SephadexG-100によって主要な1成分と, 少量の3成分に分別された。 D_8はSephadex G-200により3成分に, D_5は主要な1成分と少量の3成分に分別された。5.最も多い両分であるD4について, 再カラムグロマトグラフィーにより2両分を得た。これらの2成分は共に電気泳動的に単一性を示し, その易動産はpH8.0で, 両成分とも3.5であった。又, Sephadex Gー200によるゲルロ過法においてもほぼ単一なピークとして現われた。この2成分D_4D_2, D_4D_3のうちD_4D_2は超遠心分析においても単一なピークを示したが, この時にみられるagglutinationについては今後の研究に待ちたいと思う。
- 園田学園女子大学の論文
- 1970-12-30