<論文>青年期における異性交際への不安と自己認識の関連 : 自己過程パラダイムに基づいた研究の概観
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概要
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本論では「自己過程」(中村, 1990)の理論パラダイムに基づいて,心理学でこれまで自己認識がどのように扱われてきたかを概観した。ついで「自己」の概念化・測定のあり方について「領域個別的自己認識」と「全体的総合的自己認識」を区別し,それぞれが異性交際への不安とどのように関連づけられるかを,筆者の研究や関連研究を整理し比較することで明らかにした。さらに,発達心理学における青年期の自我同一性に関する議論や,対人関係の親密化に関わる社会心理学の諸研究,社会学からの論考を論拠に挙げつつ,領域個別的な自己認識を異性交際への不安と関連づける場合,2つの重要な視点-発達的視点と関係論的視点-が抜け落ちてしまう点を指摘し,この2つの視点をふまえた研究の可能性を示唆した。
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