<論文>青年期における異性交際への不安と自己認識の関連 : 質問紙調査による実証的検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究では,青年期における異性交際への不安と,自我同一性感覚の下位要素である「自己安定性」「自己感覚」「目的志向性」「自己受容」,の4要素,また「自尊心」,「成長不安・抑制不安」の関連を検討した。大学生271人を対象に,上の8つの構成概念を測定する尺度に回答を求めた。相関分析・重回帰分析・共分散構造分析の結果は以下のようにまとめられた。(1)異性交際において不安を経験しやすいことが,他者との関わりの中で自分を見失うことなく,個性を持った一貫した存在である自分を実感することができない自己把握のあり方に影響する。(2)不安定な自己認識が,自分に対する肯定的な評価を低める方向で影響する。(3)自己評価の低さが原因となって,自己実現的な活動に対する意欲や,効力感が低下し,失敗への予期も高まる。その結果活動が抑制・阻害される。
著者
関連論文
- 青年期の恋愛関係における不安についての事例 : 関係の親密化に伴う不安体験の質的変化と、自己認識の動揺に焦点を当てて (4-2「自己認識と他者」)
- 青年期における異性不安と異性対人行動の関係 : 異性に対する親和指向に関する他者比較・経時的比較の役割を中心に
- 青年期における異性交際への不安と自己認識の関連 : 質問紙調査による実証的検討
- 青年期における異性交際への不安と自己認識の関連 : 自己過程パラダイムに基づいた研究の概観
- PG31 青年期における異性交際への不安と自己認識の諸側面との関連 : 自我同一性感覚に着目して