エアロビックダンスの魅力(2) : 特に初心者にとって発表の機会をもつことの意味について
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概要
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エアロビックスダンスは,幅広い年齢層に愛好される健康作りプログラムの一つである。しかしながら実践者達は,単に健康作りの目的だけでなく,他のスポーツ実践と同様に自己充実・自己実現の一つとして取り組んでいるように思われる。こうした意識は,全国的に開催されている様々な競技会へ参加すること,各フィトネススタジオ単位で開催されている発表会へ参加することなどさまざまの形となって表われている。こうした発表会に参加することが,エアロビックスダンスの実践者にどのような影響を与えるものであるかを明らかにすることは,指導者や競技会・発表会を開催するものにとっては重要なことであると思われる。そこで本研究では,エアロビックスダンスの実践にはじめて取り組む実践者にとって,エアロビックスダンスの作品を舞台上で発表することがどの様な意味をもつのかについて,2つの事例に基づいて検討した。結果は以下の通りであった。日頃のエクササイズ実践では,実践者はインストラクターを見る・見られる対象として認識し,自らが動く・踊る主体であるという認識はみられない。しかしながら,エアロビックスダンス作品に取り組むことで,実践者に自分自身が見る・見られる対象であるという意識が生まれ,同じ動きに取り組む姿勢も作品を踊るという表現に変わるほどその姿勢は積極的なものに変わる。また,実践者は,見られる対象としての自己と同時に見る対象として自己を強く意識し,作品が舞台上で発表されるまで,見られる・見るという2点の間を実践者の意識は動いているのである。さらに実践者は,作品の発表が多くの人間の協力を得て作品の仕上げを行うという状況に立たされることからも,こうした個の発見を集団の中でさらに強く意識するものと考えられる。Aerobics-dance is one of me heath producing programs loved by people of wide-spread range of age levels.Neverthless it should seem that people participate in this activity not only for health but for self-contentment or self-realization as in other sports activities.This sort of consciousness presents itself in participation in several contests held nationwide or performances held by each fitness studio.It seems important for instructors or promoters to make clear how performers are affected by participating in these contests or performances.In this study,based on two cases,it is examined that the n 1 eaning of performing works of aerobics-dance on the stage for performers newly participating in aerobics-dance activity.The result is as follows.In usual exercise activity performers recognize instructors as objects to see or to be seen but not as subjects to move nor dance in person.Nevertheless.taking part in producing aerobics-dance works,performers become cornscious of themselves as objects to see or to be seen,and their attitude turn aggressive so much as to show more dance expressions even in the same movements.Moreover performers have strong senses on themselves as object to see and to be seen as well,and till the day of performance on the stage they have the stirrings of the senses between to see and to be seen.Further it is considered that through the process of producing works in co-operation with many omer peple they feel more strong sense on themselves of such newly kind than ever.
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