繊維の圧縮測定に関する研究 : (第 3 報)圧縮性並びに圧縮弾性に於ける温度依存性に就て

概要

論文の詳細を見る
本論文に於ける研究の目的は, 各種繊維並びにプラスチック発泡体(通気性及び非通気性プラスチック)の圧縮性並びに圧縮弾性に於ける温度依存性を検べる為である。温度依存性を明白にせんが為に, 著者は新しい装置を設計した。繊維塊の圧縮性並びに圧縮弾性を定量的に測定する事は, 繊維の形状不安定も加わって, 極めて難かしい。此の装置は(温度依存試験機)コンプレッサー, 圧力調整器, 圧力計, 温度調整器, バンド型ヒーター3本を具備した加減圧タンク(鉄製), 第1冷却タンク, 第2冷却タンク及び排出量測定部から成っている。此の装置は完全に密閉された鋼鉄製のタンク中の流動パラフィンの中に埋められた所の, 即ち流動パラフィンの中に沈められた強力なゴム球の中に繊維或いは通気性, 非通気性の発泡体を詰めた, その様な方法に於いて組み立てられている。此の温度依存性を測定する試験機は, 圧力P(kg/cm^2)並びに温度T(℃)の各段階に於ける其の空隙率ε(%)^<(24)(28)(29)>を得る事によって, 各種の繊維及び発泡体プラスチック(通気性及び非通気性プラスチック)の圧縮性及び圧縮弾性を検べるにある。圧力P(kg/cm^2)及び温度T(℃)のもとでの空隙率ε(%)^<(24)(28)(29)>は次式にて示される。即ちε(%)=(V_0-ΔV_p-V_<ƒ>)/(V_0-ΔV_p)×100(%)=(V_p-V_<ƒ>)/V_p×100(%)=(1-V_(<ƒ>)/V_p)×100(%)又, 体積歪E_<v・p>(%)は^<(24)(25)>, E_<v・p>(%)=ΔV_p/V_0×100(%)にて表わされる。此処でV_pは圧力P及び温度Tの時の繊維或いは発泡体プラスチック(通気性及び非通気性プラスチック)の容積を表わす。△V_pは排出した空気量即ち水の重量と水の比重より求め得る。V_0は圧力P=0(kg/cm^2)及び温度T(℃)の時の繊維及び発泡体プラスチックの容積を表わす。V_<ƒ>は繊維及びプラスチック発泡体の真の容積である。斯くして, 此の温度依存性測定試験機は繊維或いはプラスチック発泡体即ち通気性及び非通気性プラスチックの圧縮性, 圧縮弾性及び其の履歴現象^<(29)>を測定するのに, より効用のある事を証明している。
金城学院大学の論文
1967-11-15

著者

寺島功
金城学院大学

繊維の圧縮測定に関する研究 : (第 3 報)圧縮性並びに圧縮弾性に於ける温度依存性に就て

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク