測定量としての織物の触感に及ぼす各種処理加工の影響(第 4 報) : Hanging Heart Loop に於ける織物の Bending Moment に関する理論的考察

概要

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F. T. PeirceがFabric Handに影響を及ぼす所の諸々の要因の中で, 織物を曲げるに要する力としてBending Momentを取り挙げている。此のF. T. PeirceのBending Momentを第2報に於て理論的に検討し, 新しいBending Momentの理論式が実際の場合と矛盾せぬか否かを第3報に於て実験的に考察して来た釈である。所が, 新しく樹てたBending Momentの理論式が第3報に於けるあらゆる角度からの実験的考察に依り全面的に実際の場合と矛盾する点は見出されず一般に許容し得るものであるが, 但し, Bending Momentの要因である実測長としての両方向への垂下長l_υ, l_ηが, Bending Moment (c)に及ぼす影響の度合に於て小さい点が実際の場合と矛盾するので, 斯かる観点より第2報の理論式に関して理論的再検討を試みた結果, 次式にて表わされるべきである事が判明した。即ちBending Moment (c)の値はC=0.1337L (cos θ/tan θ)^<1/3>+(l_η^2-1)〔cos^2θ{2.1-0.28(cos θ/tan θ)^<1/3>}〕但し, L; 有効長(即ちHeart Loopの長さ)θ;計算値でありθ=32.85°×d/l_0 (但し, O < θ < π/2) l_η; 水平方向への垂下長。(即ちHeart Loopの原点Oを通る水平方向L_H軸上にHeart Loopの最高彎曲点Qより下した垂線との交点O'と原点Oとの水平方向L_H軸上の長さ。)として, 表わされる釈である。
1964-11-20