レタスの二品種 (New York 515,Grand Rapids) の種子発芽に対する赤色光, 温度, 植物ホルモンの効果(A. 理学)
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概要
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レタスの2品種, New York 515およびGrand Rapidsについて, ジベレリン(GA), カイネチン(KIN), アブシジン酸(ABA)の種子発芽に対する効果を, 15°∿35℃, 明暗両条件下で調べた。(1) New York 515は, 低温域(20℃以下)での暗発芽効果が高く, またKINに対する感受性が高い。一方, Grand Rapidsは, 低温域での暗発芽効果が低く, 光又はGAに対する依存性が高い。また, Grand RapidsのKINに対する感受性は, New York 515に比べて低い。(2)赤色光とGAとは, 互いに相加作用的な効果を示した。すなわちGAの作用は暗黒下でのみ観察され, 赤色光下では, ほとんどその作用が認められなかった。したがって, 赤色光とGAとはその作用点が比較的近いものと考えられる。(3) KINは赤色光(またはGA)と相乗作用的な効果を示した。すなわち, KINは赤色光またはGAで飽和した効果をさらに高める作用を示し, その作用はとくに高温(35℃)で著しかった。したがって, KINと赤色光またはGAとの作用点は異なるものと考えられる。(4) ABAは, 種子発芽のみでなく, 胚軸の伸長を強く抑制した。発芽抑制作用は低温では弱く, とくにNew York 515では, 10°, 15℃での発芽抑制効果を全く示さなかった。高濃度のABA (4・10^<-5>M)による発芽抑制作用は, GAによっては回復できず, KINによって見かけ上回復した。(5) Khan, A. A.の報告と比較すると, 部分的には同様の結果が得られたが, KINが単独で大きな発芽促進効果を示した点が異なり, したがって, KINがABAによる発芽抑制作用を解除する点にのみ作用するとしたKhan, A. A.の結論は, 一般化できる現象ではないことが明らかとなった。
- 京都府立大学の論文
- 1979-12-20
著者
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